この度、2023年7月に第59回日本小児循環器学会総会・学術集会(パシフィコ横浜ノース、神奈川県横浜市)を開催させていただくことになりました。この様な機会を頂きましたことは大変な栄誉であり、会員の皆様に心より感謝申し上げます。
第59回学術集会メインテーマ
先天性心疾患に対する治療の選択肢はこの10年で飛躍的に増えました。例えば、カテーテル治療技術の発達、臓器移植法の改正、小児用補助人工心臓の保健適用、循環作動薬や肺高血圧治療薬の開発など、さまざまな領域における人々の努力が循環器病の治療に活かされています。現場で活躍する医療者だけでなく、世界中のあらゆる領域で人々のパッションが注がれています。われわれ医療者は先天性心疾患をはじめとした循環器病を持つ患者さんたちを「永続的に、調和をもって支える」ことが重要であることを再認識するべく「Perpetual Harmony Behind the Smile」をメインテーマとして掲げました。生まれてから成長し成人期に至るまで、患者さんとその保護者の方々に継続的に医療は提供されるべきであり、また多岐にわたる医療者の役割を結集し調和をもって患者さんひとりひとりの人生を支えて行くべきであると考えます。これらの思いは 学術集会ポスターにも込められておりますので、ぜひ細かな部分までご笑覧ください。
学術プログラム
心疾患領域における診療領域の細分化、専門化が進んでいます。このことが個々の領域の進歩に寄与していることは間違いありませんが、領域を跨いだmultidisciplinaryなアプローチが益々重要となっています。例えば、胎児診断とそれに基づく胎児治療に始まり、様々な画像診断や立体モデルは手術治療の大きな助けとなり、小児期に留まらず成人期の不整脈治療にカテーテルアブレーションは欠かせないものとなりました。職種の垣根を無くしたチーム医療のお手本が小児循環器医療であり、こうした様々な領域の叡智が結集するのが本学術集会であり、われわれ会員は診療領域を越えてそれらを学び、心疾患患者たちの診療に活かす責務を負っています。様々な領域よりテーマを引き出し、活発な討論の場をご用意すべく、現在プログラムを作成いたしております。ぜひ、日頃接する機会の少ないテーマにも関心を寄せていただき、多くの皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
COVID-19感染対策
学術集会の会場は広大なスペースを有するパシフィコ横浜ノースです。この空間を活かして「密」になりにくい動線、会場をご用意するとともに、基本的な感染対策を講じます。
初めて参加される皆さんへ
日本小児循環器学会の特徴は、診療科横断的(小児科・内科・心臓外科)かつ多職種(看護師・臨床工学技士・薬剤師・理学療法士など)からなる参加者による演題発表と熱い議論です。上述のように循環器疾患の診療は多岐にわたるため、互いに尊重し合いながら各々の役割を果たしていくことが患者の利益につながります。そんな雰囲気を感じ取れる学術集会ですので、ぜひ現地に足を運んでいただき、先天性心疾患診療の世界を覗いてみてください。
世界はCOVID-19パンデミックの発生から3年が経とうとし、そしてロシアによるウクライナ侵攻という新たな脅威にさらされています。いずれの出来事もグローバル化した医療材料・薬品等の供給網へのダメージを与えております。このような状況の中で本学会会員の皆さまが、COVID-19に翻弄されながらも途切れることなく日々の診療を続けておられる事に敬意を表しますとともに、心より感謝申し上げます。そして皆様に横浜でお会い出来ることをとても楽しみにしております。
2022年10月吉日